Y〜めでたしめでたし〜
ただいま日常
ただいま非平凡
さぁ元に戻ったね
ただいま、CLATTER・LIFE
光が消えて、目が慣れてきたら自分の家だった。帰ってきたんだ。
「…終わった!!帰って来れた!!!」
コヒメが喜ぶあまり変な動きをしている。なんか気持ち悪い。はっと我に返ったら思い出した事が1つ。
「コヒメ!!」
「何だよ」
「コヒメのせいでコオンから報酬もらい忘れたじゃん!」
「ぁ……いや、無傷で帰って来れたのが何よりの報酬だろ!」
コヒメは得意気に言い放った。そういう精神論みたいなのより僕は物が欲しい!!
「納得できないー!だって結局なんにも貰ってないんだよ!?」
「確かに何も残ってないな…」
「残ってるとしたら思い出くらいだよ」
コヒメは困ったように話すのを止めてしまった。代わりに上着の内ポケットから3通の手紙を出して、机に置いた。
カサリ
紙の動く音。
「あ…!キョウタ!!貰った物、残ってるぞ!!」
外側のポケットを押さえながら僕を呼ぶ。
「何、まさか手紙とか言っちゃうワケ?」
「ちげぇよ!これ!」
コヒメの手の上にあったのは、
白い、キレイな、短冊状の、紙。
新月のあの人から貰った、次元移動する道具。
「使わずに仕舞っとこっか」
「だな」
机の引き出しにお宝を隠す。同時に響くいつもの音。
――コンコンコン
扉を叩いたのは、果たしてどんなゴチャゴチャかな?
ゴールテープを捕まえたら「START」って書いてあった。
そんな毎日。